ご心配どうも!今、箱根人がどうしても伝えたいこと^^
超〜久々のブログ更新がこんなこととは・・・
でもそろそろ語っておきたいなと思いました。
いろいろ調べてますが、間違っていたらごめんなさい。
専門家ではない、ただの旅館の親父のブログですから^^
それでは、やや長めですが、お付き合いください。
5月3日から始まった、箱根の噴火騒動。
報道が日に日に加熱し、箱根町役場の駐車場は
ただいまマスコミ各社の中継車や東京から飛ばしてきた
ハイヤー(このご時世なのでさすがに社旗はなし)で
常に満車です。
ご来町ありがとうございます(笑)
(空いている奥2台は電気自動車充電場所なので、
停めてはダメです。これは守ってくれています)
昨日(6日)から気象庁が噴火警戒レベルを「2」に
上げたこともあり、早朝からのヘリコプターとともに、
取材陣が激増しました。
そもそも箱根は活火山で、今話題の大涌谷を見ても
わかるとおり、有史以前からずーっと蒸気が上
がっているのは、皆さんご承知のことと思います。
またそこから上がる蒸気の量は
極端な話、日によって違うもので、
多い時もあれば少ない時もあります。
今回突然、蒸気が出たのではないわけです。
↑上は今年2月の大涌谷 ↓下は規制直前5月5日の大涌谷
仙石原温泉 仙郷楼の若旦那からいただいた写真です。
どうです?違いわかります?
残念ながら私にはわかりません^^
これが有史以前より変わらず噴きつづける
我らの大涌谷なのです。
では、なぜ今回は話題に上ったのかというと、
「火山性地震」(箱根の場合、地下の何かが原因で
連続して起こる地震、俗にいう群発地震)が
ここ10日ぐらいで、増えたからです。
東日本大震災以来、やはり地震は怖いものという認識も増し、
もちろん心地のいいものではありません。
では、今回が初めてなのか?
多分箱根にいる方に聞いていただければ、
皆同じように答えるはず、「よくあること^^」と。
近いところで、2013年、その前はたしか2006年、2001年と
数年に一度の割合で1〜2ヶ月ぐらい、火山性群発地震が
起こっています。
「でもTVを観ると街でインタビューを受けた地元の人たちが
『(こんなの)初めてで困惑している』と
言っていますが・・・」
いい質問です!この答えはズバリ、
「(取材陣が殺到して、報じられるているのは)初めて」
という意味です。前後を省くとこうなります。
編集は怖いです^^
初めてついでにもう一つ。
これも報道では箱根が「レベル2」になったのは「初めて」と
報じられていますが、これにもカラクリが。
気象庁の「箱根の噴火警戒レベル」の運用が開始されたのが、
実は6年前の2009年(平成21年)から。
2013年にも群発地震があったと
前述しましたが、この時はレベル2に該当しない程度。
さらにさかのぼった2001年の時は、
その運用がなかったからですが、
もしそれにあてはめてみると、今回同様
「レベル2」相当であったと気象庁も発表しています。
ということで、正確にいうと運用開始(2009年)以降の
レベル2がないということです。「初物」に弱い日本人の
心理をついた、素晴らしい戦略です(笑)
群発地震でもう一つ。
私が中学3年の時、同じような群発地震がありました。
丁度、姉妹都市の使節団をお迎えして、
中学校(彫刻の森美術館さんの前)の体育館で
和太鼓演舞の最中、比較的大きな地震が発生した瞬間、
体育館の天井に引っかかっていたバレーボール、
約20個ぐらいが一斉に落ちてきました!
絶対に取れないという都市伝説の、体育館のあれが、
一斉になくなりました^^余談でした。
とりあえず、現状は6日21時頃の有感地震を最後に、
そこからは今のところ有感地震は発生していません。
気象庁の発表では一時的に鎮静化のようです(5月7日)。
それでは本題に戻ります。
今日、箱根町の記者会見があり、
改めて、観光客の皆様へというメッセージが出ました。
また、一緒に出た「立ち入り規制エリア」のMAPもご覧ください↓
MAPを見ていただければわかるとおり、箱根は広し!
町全面積92.86キロ平方メートルに対し、
今回の立ち入り規制エリアは0.286キロ平方メートル、
割合にして約0.3%にしか過ぎないのです。
お客様にも、ほんの一部の規制なんですよ〜とお話ししても、
なかなかお伝えできなかったことがこれでスッキリしました!
また、メッセージにも記載されているとおり、
箱根には「箱根山」という山は存在しません。
気象庁発表の噴火警戒レベルに当てはめてみると、
レベル2は「火口周辺規制」なので、
火口「大涌谷園地(噴煙地)」が正しい表記なのです。
0.3%の話も箱根山の話も、報道各社の皆様に
しっかりお伝えしているのですが、
完全スルー・・・。無力感全開です・・・。
またしきりに「温泉が供給できなくなるかも説」
(大涌谷から供給している温泉が今回の立ち入り規制区域内に
あるから運営ができないという説)を報じていますが、
これも今日の会見で、温泉供給会社のメンテナンスのための
規制区域内への入山を認めると話してましたが・・・
聞こえなかったのかな?!
ということでこの説の心配は、現時点ではなくなったのにも
拘らず、これまたスルー・・・。
心配がなくなったことぐらい、
しっかり伝えてほしいものです。
広げた風呂敷をきれいに畳めるのも、日本人のいいところ^^
さてさて、
0.3%の話です!と声高にいっても、
やはりできないこともあります。
これもしっかりとまとめてお知らせしておきます!
【今は残念ながらおあずけなこと】
1.寿命が7年延びる妙薬「黒たまご」。今はおあずけ!
「ひとつ食べると7年寿命が延びて、
ふたつ食べると14年、
みっつ食べると死ぬまで生きれて、
よっつ食べると気持ち〇くなる!」
(小学生の時バスガイドさんから教えてもらった
鉄板フレーズ)
でおなじみの名物「黒たまご」。
これを目当てにいらっしゃるくらいの
人気者です。
残念ながら、実際に卵をゆでる源泉が立ち入り禁止エリア内に
あるため、今はおあずけ。それでも、源泉同様、
メンテナンスのための入山は認められるそうなので、
釜は煮たっており、いつでもスタンバイOKです!
2.噴煙と新緑を愉しめる乗り物!これまた今はおあずけ
大涌谷に行かれる方の人気の交通手段「箱根ロープウェイ」。
残念ながら「大涌谷駅」が規制エリア内のため、
ひとまず運休中です。
ちなみに、報道では
早雲山〜大涌谷〜桃源台の「全線」、「全線」、「全線」と
連呼されていますが、規制対象なのは大涌谷駅のみ。
でも、ロープウェイはその名のとおりロープで
繋がっているもの。
真ん中の大涌谷を通れなければ、
前後の駅も無理ですよね(笑)
だから全線運休なのです。
ちなみに、温泉、黒たまご同様、いつでも動かせるよう、
こちらもメンテナンスOKだそうですv
なお、それでも高いところに行きたい!という方は、
「箱根駒ヶ岳ロープウェイ」は元気に運行中です!
天気のいい時には、芦ノ湖はもちろん、
アルプス付近まで見渡せることも!
3.散策できるハイキングコースが減ってしまいました・・・
でも箱根にはまだたくさんあります!
大涌谷は人気のハイキングコースの一部。
残念ながらそれも一部閉鎖中です。
ハイキングコースを閉鎖するのはなかなか難しいもの。
あくまで半径300mの規制範囲なので、
そもそも規制すべきはその中だけですが、
道には入口と出口があり、
大涌谷を通るコースの入口、出口を封鎖すると、
約3km超になったわけです。
昨日までは勝手に「半径3km」が閉鎖と
報じているニュースがありましたが、
半径300mと全長3km、間違えちゃだめですよ〜^^
4.県道734号線(約1km)は通行できません。
だから大涌谷へはいけません。
今回、唯一通行止めになっている車道約1km。
大涌谷三差路〜大涌谷駐車場までのルートです。
箱根ロープウェイとほぼ平行するように走るルートは
県道735号線で、734号線ではありません!
つまり、大涌谷のすぐ脇を通る、
早雲山〜湖尻桃源台はロープウェイは使えませんが、
車では通れるわけです^^ここ重要!
てな具合に【残念ながら今はおあずけ】をまとめてみました。
ではここからは、セールストーク!
【今しかできないこと!】を語らせてください!!
【箱根で今しかできないこと!】
1.山のホテルのつつじは5月が見頃!
今しかない!!
騒動のあいだもすくすく育ち、
花開いていたことをすっかり忘れてました。
花は待ってくれません(笑)
45,000坪の庭園に約3,000株のつつじが咲き誇ります。
富士山とのコラボレーションはまさに絶景です!
報道各社の皆さーん!いつもならつつじ庭園で
中継している頃ですよ〜^^
最新の開花情報はこちらで
2.新緑の箱根、逃したら損です!!
「新緑の箱根にはパワーがある!」
いつも5月にお越しになる当館のリピーターさんの言葉です。
私も毎年見ていますが、この時期の箱根には、
確かにパワーがみなぎっているような気がします。
こちらは私の一押し新緑スポット。
芦ノ湖湖尻湾(早川水門)、西岸ハイキングコース付近です。
どうですか?ここは大涌谷のすぐ下。
ここにももちろん散策できます!
長々と、偉そうに、失礼しました。
結局何を伝えたいのか・・・
勝手に想いのたけを綴らせていただきました。
この数日間、積極的に発信した方がいいのか、
それとも静かにした方がいいのか。
日に日に加熱する報道に、
正直、なすすべもなく過ごしていました。
言いたいことは山ほどありましたが(笑)
今日の記者会見に帯同していたのですが、
とあるメディアの記者さんにがおっしゃいました。
「今、日本で一番話題性のあるニュースなんです」
別の有名な男性アナウンサーさんはこうでした。
「風評被害を我々メディアを使って払しょくしましょう!」
(だからインタビューに応えてくださいという意)
正直、ここ最近のTVを見る限り、
ごめんなさい、信用できませんでした。
これは自分で語らなきゃv
と思ったしだいです。←非力ですが(笑)
色々書いてから言うのも何ですが、
誰が悪いでもないのですが、
今、我々箱根人が一番望んでいることは、
「本当の箱根を、皆さんに知ってほしい」ということ。
半径300mの規制エリア0.3%ももちろん箱根ですが、
残りの、99.7%も箱根です。
立ち入り規制エリアに居住している人は、一人もいません。
なので私たちは、避難ではなく、「立ち入り規制」と
表現しています。
記憶に新しい御嶽山の噴火。
その教訓からうまれた、厳格なマニュアルにより、
安全重視で0.3%の立ち入り規制が実現しました。
そして、残りの99.7%では
いつもと変わらず生活し、商いし、
バスも、電車も、海賊船も、遊覧船も、
釣り船も、美術館も。
温泉も出てますし、止まる予定もありませんし、
早朝から報道のヘリコプターも飛んでいます。
↑これはやめてほしいですが(笑)
残念ながら箱根町の0.3%のエリアは、
安全を重視して、ただいま充電中。
残りの99.7%のエリアで元気に営業中ですv
最後に、今日は今月(5月)献立の試食会でした。
うちの料理長が名付けた献立名は↓
「箱根は負けじ」^^
最後までお付き合い、ありがとうございました!