月の満ち欠けは、人の体や心に大きく影響するものであり、また日本の神話からも伺えるように、日本人にとっての「月」は特別なものです。いつの時代も月はその神秘的な魅力で人を魅了してきました。
まだここが更地だったころ、芦ノ湖一望のこの地に立ち、雄大な双子山から昇り、広大な芦ノ湖に沈む月が魅せられた館主が、名づけた名前、
「和心亭豊月」。豊月の歴史は一夜の「月」から始まりました。
月に魅せられ、月にこだわり、
月を愛でる宿──
お客様もぜひ、豊月の原点となった月のつむぎだす物語に、
想いを馳せてみてください。

豊月の館内には、様々な月にちなんだものがございます。お部屋の名前や料理の器など、
私どもの月に対する思い入れを形にしたものです。
それらの散りばめられた「月のかけら」は、お客様の旅にそっと彩を添えます。
豊月の全てのお部屋には月にちなんだ名前が付けられています。
古月、居待月、風待月、夢見月、初春月、初花月、山影月、深山月、朝待月、初霜月、有明月、紅染月、宵待月、実花月、大月、・・・
多様な表情を持ち、様々に形を変える月。
静かにしっとりと時を過ごし、天空の月のようにゆっくりと進む時の流れをお感じください。

豊月自慢のモダン懐石で使われるこだわりの器の数々にご注目ください。月の形をした器から豊月をイメージした器まで、さまざまな場面で「月」が登場します。
月夜の絶景を想い浮かべながらモダン懐石を
ご堪能ください (月がわりの献立のため、時には月が隠れてしまうことも・・・)。

館内では、随所に月を模したこだわりが詰まっています。例えばお客様のお部屋の卓にも、豊月のこだわりがあります。
この卓は、館主が旅館のオープンに合わせて、特注したもの。
何の変哲もない卓ですが、ご覧のように月のマークをあしらっています。
豊月の月のマークは満月ではなく、あえて三日月を使います。その理由は、満ちていない月をお泊まりいただいた皆様で「まあるくなあれ!」と撫でていただくうちに、みんなが仲良く、幸せになれるなれればいいなと願うからです。

仏師「南雲」氏によって伊予の国(愛媛県 松山市)で生まれた「伊予一刀彫」。「ヒバの木」を一刀彫の技法により、小刀と数本の鑿(ノミ)で彫った人形は、淡い彩色を施した優しい雰囲気でありながら力強い造形美を放ちます。南雲氏の手がける「うさぎ」、(月夜の楽団)は、豊月で月を愛でる多くの皆様とともに「月」の出番を、優しい音色のファンファーレで迎えてくれているような気がします。
そもそもこの「月夜の楽団」は土佐(高知県)出身の女将が一目ぼれした逸品。
南雲氏のご厚意により、今では館内各所の展示や、おみやげ処での販売も行っております。